学校法人 福井城之橋学園/城之橋幼稚園

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今月の園長メッセージ

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11月の聖書の言葉「わたしがあなたを愛したように 互いに愛し合いなさい」( ヨハネによる福音書15章12節より)

「愛のある交わり」 栗原 武士
秋も深まり、朝晩の寒さも厳しくなってきました。冬の訪れを肌で感じています。10月には数多くの行事が行われました。お家の方々のご理解、ご協力もあり、子どもたちにとって豊かな経験の時となりました。その経験によって、子どもたちは大きく成長しています。その成長を活かして、この11月も保育を進めてまいります。
子どもたちが、園内で困っているお友だちを見つけると、そのお友だちの所へ行き、声を掛けています。「どうしたの」と言いながら、手を繋いだり、頭をなでたりして、その友達に寄り添い、必要な手立てを考えます。先生の所へ一緒に行って、事情を説明するとか、自分たちで出来る手伝いを行ったり、友だちに代わって行ったりするなど、それぞれに友だちのことを思って行動しています。こうした場面に、愛が示されています。困っているお友だちを見たらどうしたらよいのかということを、子どもたちに言葉で教えたわけではありません。子どもたち自身が、幼稚園の生活を通して、大きなお友だちから、同じクラスのお友だちから受けた、愛のある交わりによって、育まれたものです。自分が友だちから愛を受けて、助けられた記憶や、嬉しい気持ちが、子どもたちの中に積み重なっていき、自分が愛されたように、周りの友達に向けられるのです。
この子どもたちが向け合う愛というのは、一方的な愛です。友だちが困っていると感じ、力になりたいと思い、動くのです。そこに見返りなどを考えていません。しかし、成長するにつれ、計算によって愛を行うことが増えてきます。愛を行った後に、その相手から愛を受ける経験を重ねるうちに、返ってくるのが当然のように錯覚してしまうのです。反対に返ってくるものがないと、愛されていないのではないかと感じ、不安を覚えるのです。愛とは見返りを求めるものではありません。自分が愛を誰かに向けていなくても、思わぬところから一方的に受けるのが、神様の示される愛なのです。自分にとって思いがけない出来事や、出会いによって、支えられる中で、神様から愛を受けていることに気が付くのです。それを気づかせてくれるのが、友人や家族、隣人なのです。一方的に愛されていることを知ると、勇気が湧いてきます。子どもたちは園だけでなく、お家や、様々な生活の場所でも愛を受けています。そうした愛を受ける日々を通して、神様の愛を知り、互いに愛し合っているのです。愛による交わりを更に広げるひと月となりますように。