学校法人 福井城之橋学園/城之橋幼稚園

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今月の園長メッセージ

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11月「同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つにして」 (フィリピの信徒への手紙 2章2節より)

「同じ愛を抱く」                       園長 栗原武士
秋も深まりました。雨の日も多いですが、園の中でも、外でも子ども達は元気に過ごしています。沢山の行事を通して、子ども達は様々な経験を重ねて、成長した姿を見せてくれています。11月も、身体と心で季節をいっぱいに味わっていきたいと思います。
先日、全国設置者園長研修大会が行われ、参加してきました。その中で国が、これからの教育をどのような方向で進めていくのかについて、文科省の担当官より説明がありました。「自立した人間として、主体的に判断し、多様な人々と協働しながら、新たな価値を創造する人材として育成」することを目標としているとのことでした。幼児教育に当てはめれば、「主体的に取り組める子どもを育む」ということだと思います。城之橋幼稚園では、子どもたちが主体性を持って歩むことが出来るように、心の育ちを大切にして保育を行ってきました。恐ろしい速さで社会が変革するこの時代に、心の育ちがより重要になっていくことを、改めて感じました。
主体性を育む一つに、協働することがあげられます。友達や保育者、お家の人と一緒にいろいろなことを取り組む中で主体性は育まれます。一緒に何かを行う時、自分の中で考えを持ち、お互いの思いを伝えたり、聞いたり、感じ合ったりします。その交わりを通して、自ら行動する意欲や力が培われるのです。子どもたちは遊びの中で、それぞれの思いを重ね、自然と遊びが広がっています。お互いを感じ合い、いつの間にか流れが決まり、決まったかと思えば、さらに変化し、その広がる世界は豊かで、無限です。新たな時代にこうした力は必要だと思います。
聖書の中で「同じ愛を抱き、心を合わせ、思いを一つにして」と書かれています。心を合わせ、思いを一つにすると考えると、行う中身まで一致しなければいけないように思えてしまいますが、そうではありません。同じ目標を持っていても、それに対する考え方は、それぞれ違います。そうした違いがあるから、考えが広がるのです。違いは豊かさであり、恵みなのです。自分の子と他の子と比べて、違うことを心配される話も耳にしますが、それは豊かさや個性の現れでもあるのです。その豊かさを持って、お互いに思いを合わせることが大切なのです。「同じ愛を抱く」の愛は、「互いに仕え、支え合う」ことを意味します。その思いを持つ者同士が、それぞれの違いを持って、仕え、支え合うことで、一人ひとりが自己肯定感に満たされ、自分の思いを出し合い、主体性が育まれるのです。今月も、子どもたちの交わりに寄り添い、歩んでいきたいと思います。