学校法人 福井城之橋学園/城之橋幼稚園

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今月の園長メッセージ

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10月『アブラムは、主の言葉に従って旅立った。』(創世記 12章4節)

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「2つの時間」                          園長 浦上 充

朝夕ぐっと涼しくなり、金木犀の香りが秋を運んできてくれました。大人たちはしみじみと「ああ、もう秋なんだな」とつぶやいてしまいますが、子ども達にとっては関係ありません。いよいよ秋本番です。トンボやコオロギなど、遊んでくれる虫たちがいっぱい出てきますし、どんぐり拾い遠足やお楽しみ会など楽しい行事が満載です。
季節の移り変わりを肌で感じると、確かに時が流れていることに気づかされます。幼稚園にも同じように、「時間」が流れています。朝、みんなが登園する時間は決まっていますし、自由遊びの後のお片付けや給食の時間も決まっています。
このように一定に流れていく時のことを、「クロノス(Chronus:ラテン語)」と言います。クロノスでは、同じ時間の中でより多くの事が出来る人や、上手に出来る人が優秀と褒められ、ゆっくりの人、じっくりの人、失敗した人は「がんばろう」と励まされます。
しかし幼稚園には、もう一つの時間が流れています。この時を「カイロス(Caerus:ラテン語)」と言い、その人だけに与えられた特別な時間です。幼稚園では、規則正しい生活や小学校になじんでいく為に、「クロノス」の時間の流れの中で生活する事を学びますが、それだけでは、豊かな人間性や優しい心は育まれません。
「カイロス」の時の流れの中には、多くの出会いがあります。それは、お散歩の途中で見つけた不思議な木だったり、お空に浮かぶ不思議な形の雲だったりします。この時の中では、速さを比べる必要も焦る必要もありません。秋は、その様なその子だけに流れる時を、より強く感じる事の出来る季節です。子ども達と一緒にお散歩に出かけてみたり、幼稚園で今日何があったのかをじっくり聞いてみてください。多くの不思議な出会いや出来事がたくさん詰まっています。
今月の暗証聖句に出てくるアブラムも、神さまの言葉に従って旅に出ました。彼は、紀元前1500年のメソポタミアに住む75歳のおじいさんでした。当時の平均年齢が20代前半と言われていますから、現代の75歳とは異なり、まるで仙人のような存在でした。それでも、彼は神さまの言葉を聞いて、新しい土地へと旅立ちました。それが彼の中で流れていた時(カイロス)だったのです。
カイロスの時の中では、どこからでも遅いという事はありません。今からでも、子どもと一緒にこの季節を楽しんでください。